これまではイギリスならではの英語表現や方言について何度か書かせていただきましたが、イギリスでの暮らしの中でまだまだたくさんイギリスならではの英語表現の発見が多くて、今日はそういう「他の英語圏の国では通じなさそう」と思った表現を皆さんに紹介したいと思います。
アメリカのスラング VS イギリスのスラング
アメリカのスラングはよく知られているのに対して、同じ英語圏でしかも英語の発祥元なのにどうしてイギリスならではの表現はあまりよく知られていないのだろうと疑問に思ったことありませんか?
私なりに考えたのですが、やっぱりアメリカの映画やドラマが世界の映画・ドラマ市場を広く支配しているのが原因のような気がします。
イギリスの作品も世界的に知られているけど、「ダウンタウンアビー」や「シャーロックホームズ」のようなちょっとクラシックな上級クラスが話すような英語だからスラングとは違う気がします。
アメリカの作品だけど、世界中でヒットした「ゲームオブスローンズ」の中ではイギリス人のキャストさんが多く、英語もイギリスの各地の方言をベースにした英語の発音になっているけれど、それもイギリスのスラングとはちょっと違う気がします。。
イギリスのスラングの意味をあてよう
では一体「イギリスならではの表現」はどんなものがあるか早速あえて意味を付けずに紹介していきます。スラングの意味はその後にお伝えしますので、まずはどんな場面で使う表現なのか、意味をちょっと当ててみてください(^-^)
1 Chinwag
2 Let's rack on!
3 Be smashed
4 Nailed it
5 Fag
6 Cream cracked
7 Chuffed
8 Gaff
9 Gutted
10 Can’t be arsed
イギリス・スラングの意味の答え合わせ
それでは一つずつスラングの意味を解説していきます。
1 Chinwag
意味:おしゃべり
「chin(あご)」と「wag(振る)」 のそれぞれの意味を知っている方はもしかしたら意味を当てやすかったかもしれません。あごを揺れ動かすことからなんとなく「話す」のイメージがつきますよね。
ビジネスなどのシーンで真面目に話すよりことも、友人同士がおしゃべりすることに使われています。
ちなみに名詞としても、動詞としても使えます。名詞として使う場合はhave a chinwag、動詞として使う場合はto chinwag。どちらも「おしゃべりする」という意味になります。
使用例
・We need to get together and have a chinwag! (みんなで集まっておしゃべりしようよ!)
・Let's have a chinwag when you are free.(時間があったらおしゃべりしよう)
2 Let's crack on!
意味:さて、はじめよう!
「crack」には「割る」などの意味がありますが、イギリスのスラングで使われる「crack on」には「始める」とか「続ける」のような意味合いがあります。
今度からみんなでミーティングを始める前にとか、ご飯を食べ始める前に「Let's get started」や「Shall we begin?」の代わりに「Let's crack on!」を使ってみましょう(^-^)
使用例
・Let's crack on with this pizza!(このピザを食べようか!)
・I need to crack on with my homework when I get home.(家に帰ったら宿題に手をつけなきゃ)
3 Be smashed
意味:泥酔
酔っぱらった状態を表す「drunk」よりももっとひどく酔っぱらったような状態を表す時に使われています。
使用例
・He was so smashed last night.(彼は昨日の夜めちゃくちゃ酔っぱらってた)
・Let's get smashed this weekend!(週末みんなで泥酔するまで飲もう!)
4 Nailed it
意味:うまくいった!/よくやった!
「nail」自体は「釘」や「爪」の意味がありますが、スラングの場合は全く関係ありません。
「I nailed it!」などのように自分に対していう時は自分がやったことに対して「うまくいったぜ!」「やったー!」のような意味になります。同じ意味で「I crashed it!」というスラングもあります。(オーストラリア人に教えてもらった)
逆に、「You nailed it!」などと相手に対していう場合は「すげー!」「よくやったな!」のような意味合いにもなります。
例えば、友達がもうすぐ大事なプレゼンテーションをする前に「Don't worry. You will nail it!(心配するな、あなたなら絶対うまくよ!)」などと、Good luck!と励ましたくなる時に使ってみるといいです。
使用例
・Wow, she nailed that song!(ワオ!彼女の歌めっちゃうまかったね)
・*ボーリングでストライク出した時に* Ha! I naild it!!!(やったぜ!)
5 Fag
意味:タバコ
「fag」は「cigarette」のスラングとして使われている意外に、ゲイの方に対する非常に失礼な呼び方として使われたり、退屈・面倒なタスクを表す単語としても使われていますが、今回は「タバコ」として解説させていただきます。
「fag」と一緒にぜひ「bum」も覚えておきましょう。「bum」は「お尻」のスラング単語として使われているけど、「bum a fag」のように合わせて使うと「have a cigarette」同じ意味合いになります。
例えば、友達がタバコを吸っていて、自分も一本吸いたくなった時、「Can I bum a fag, please?(タバコ一本もらっていい?)」と友達に言ってみましょう。ただ、アメリカでは「fag」という単語はゲイの方に対しての非常に失礼な呼び方として一番知られているので、「bum a fag」というフレーズはアメリカ人には使わない方が無難かと思います。。
使用例
・Excuse me! Can I bum a fag from you, please?(すみません、タバコを一本もらってもいいですか?)
・Is it ok if I go outside for a quick fag now?(今から外にタバコを軽く吸いに行ってもいい?)
6 Cream crackered
意味:くたくたに疲れた
長い残業のあとや、家中を掃除してくたくたになったときに「I'm tired」の代わりに、今日からは「I'm cream crackered!」を使ってみよう。ちなみに「I'm knackered!」も全く同じ意味として通じます。どちらもよくネイティブから聞きます。
使用例
・I was so cream crackered when I got home last night!(昨晩帰宅した時めちゃくちゃ疲れてた!)
・I'm too knackered to go out today.(疲れすぎて今日は遊びに行けない)
7 Chuffed
意味:嬉しいとか喜ぶ心境
同じような表現として「happy」「pleased」「delighted」「satisfied」などがありますが、「chuffed」にはちょっと「誇らしい」ニュアンスも含まれています。
これは本当にイギリスらしい表現なので、是非覚えておきたいですね。
使用例
・I was absolutely chuffed when I passed the final exam.(最終試験に合格できたときは非常に嬉しかった)
・She was really chuffed with her new bike.(彼女は新しい自転車をもらって本当に嬉しそうだった)
8 Gaff
意味:家
「誰かの家」として使われています。
使用例
・Have you been to Tony's new gaff?(トニーの新しい家に行ったことある?)
・Come to our gaff next weekend. We are going to cook for everyone.(来週末は私たちの家においでよ。みんなにご飯を作ってあげるよ。)
9 Gutted
意味:がっかりした
「gut」は「内臓を取り出す」という意味ですが、スラングとして「I'm gutted」と言う時は「非常にガッカリした」とか「悲しくなった」などの状況を表します。
使用例
・I was gutted with my exam results.(試験の結果にガッカリした)
・He was very gutted when his girlfriend cheated on him.(彼は彼女に浮気された時とても悲しんでいた)
10 Can’t be arsed(bothered)
意味:〜する気にならない
「I can't be arsed to go out」も「I can't be bothered to go out」も同じ意味合いで「外に出る気にならない」という意味になりますが、「arse」(アメリカ英語ではass)という単語はお尻を指すので、どっちかと言ったら「bother」よりもちょっとだけ失礼な感じがあるかもしれません。
個人的には職場とかでは「can't be bothered」のほうを使ったほうがいい気がします。
使用例
・It's raining and cold. I can't be arsed to get out of my bed.(雨降ってるし、寒いし。ベッドから出る気にならない。)
・I couldn't be bothered to cook. (ご飯を作る気にならなかった)
おわりに
以上、イギリスならではのスラングを紹介させていただきました。どれも日常でよく耳にしますが、日本で英語を勉強しているとなかなか出会えない表現だと思うので、覚えておくとイギリスに来た時に役に立つかもしれません。
皆さんは10個のスラングのうち、いくつ意味を当てられましたか?全て意味を当てられた方はもしかしたら前世イギリス人だったかも!?
英語の表現が似てるオーストラリアやニュージーランドでも通じるスラングが多いかと思いますが、実際はどうでしょうか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました♪
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