前回の記事「留学して初めて知ったイギリス人がよく使うイギリス英語【表現編】」では、イギリス人がよく使う表現について書かせていただきました。
まだまだイギリス英語にはアメリカ英語と違うところが多くて、今日は単語にフォーカスしてその違いについて紹介していきたいと思います。
スペルが違うけど、発音はほぼ同じもの
イギリス英語の単語をアメリカ英語と比べたとき、大きく分けて「スペルが微妙に違うけど発音はほぼ一緒」のものと、「そもそも使われてる単語が違う」ものと2つに分けられます。
まずはスペルの違いについて紹介します。
「s」と「z」
イギリス英語で「s」のところが、アメリカ英語だと「z」になる単語がたくさんあります。
【英】apologise/【米】apologize
【英】organise/【米】organize
【英】recognise/【米】recognize
【英】analyse/【米】analyze
【英】realise/【米】realize
「l」と「ll」
「l(エル)」の数が違う単語もたくさんあります。
「l」で終わる単語が活用形になったとき、イギリスは「l」が二つに変化しますが、アメリカでは一つのままになっていることが多いです。
・travel
過去形【英】travelled/【米】traveled
現在進行形【英】travelling/【米】traveling
travelをする人(旅人):【英】traveller/【米】traveler
・fuel
過去形【英】fuelled/【米】fueled
現在進行形【英】fuelling/【米】fueling
「re」と「er」
【英】centre/【米】center
【英】theatre/【米】theater
【英】fibre/【米】fiber
イギリスのスペルが「tre」になってるからと言って、「シアター」の発音は「シアトレー」とはなりませんのでご注意ください(笑)
「our」と「or」
【英】neighbour/【米】neighbor
【英】odour/【米】odor
【英】labour/【米】labor
【英】flavourite/【米】flavorite
【英】colour/【米】color
その他
【英】yoghurt/【米】yogurt
【英】pyjamas/【米】pajapas
【英】programme/【米】program
【英】aeroplane/【米】airplane
【英】cheque/【米】check
【英】grey/【米】gray
余談:日本でも公開された「Fifty Shades of Grey(フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」という映画はアメリカの映画なのに、タイトルに入ってる「Grey」がイギリスのスペルになっているのは、原作になっているイギリスの小説のタイトルをそのまま使っているからです。
単語がそもそも違うもの
日本で何気なく使われている単語は、実はアメリカ英語の方が多いのですが、イギリスではどう使われているか、両方を比べてみましょう。
日用品
・スニーカー
【英】trainers/【米】sneakers
・セーター
【英】jumper/【米】sweater
・サスペンダー
【英】braces/【米】suspenders
・チョッキ、ベスト
【英】waistcoat/【米】vest
・旅行の荷物
【英】luggage/【米】baggage
・赤ちゃんのオムツ
【英】nappy/【米】diaper
・携帯電話
【英】mobile phone/【米】cell phone
・消しゴム
【英】rubber/【米】eraser
食べ物
・飴
【英】sweets/【米】candy
・綿あめ
【英】candy floss/【米】cotton candy
・棒アイス
【英】ice lolly/【米】popsicle
・茄子
【英】aubergine/【米】eggplant
・ズッキーニ
【英】courgette/【米】zucchini
・クッキー
【英】biscuit/【米】cookie
・ポテトチップス
【英】crisps/【米】potato chips
・ポテトフライ
【英】chips/【米】fries
生活
・ゴミ
【英】rubbish/【米】trash, garbage
・懐中電灯
【英】torch/【米】flashlight
・トイレ
【英】toilet/【米】restroom, bathroom
余談:「pop to the loo」というイギリスのフレーズがあります。「go to restroom(トイレに行く)」と同じ意味。
・エレベーター
【英】lift/【米】elevater
・トラック
【英】lorry/【米】truck
・アパート
【英】flat/【米】apartment
・サッカー
【英】football/【米】soccer
・秋
【英】autumn/【米】fall(autumnも使ってる)
・休暇
【英】holiday/【米】vacation
・郵便
【英】post/【米】mail
・テイクアウト
【英】takeaway/【米】takeout
・行列
【英】queue/【米】line
・地下鉄
【英】underground/【米】subway
・1階
【英】ground floor/【米】first floor
・2階
【英】first floor/【米】second floor
イギリスの階数は日本で言う1階が「ground floor」なので、それ以降は1つ繰り下げて数えていきます。3階なら「2nd floor」、4階なら「3rd floor」、5階なら「4th floor」という風に数えていきます。
おわりに
以上、イギリス英語とアメリカ英語の違いの単語編を紹介させていただきました。日本で見かける・使われている英語ってほとんどアメリカ英語寄りだと改めてわかりましたね。
実はイギリス英語はイギリス国内だけではなく、英連邦諸国でもイギリス英語が使われています。
イギリス連邦加盟国のカナダはアメリカとお隣さんで、発音もどちらかと言うとアメリカ寄りですが、単語のスペルはイギリス英語の方を多く使っているそうです。
また、ヨーロッパでの英語教育は主にイギリス英語を基盤にしているので、ヨーロッパの人達もイギリス英語寄りの英語を話されることが多いと感じます。
イギリス英語が使われている国(英連邦):
どっちを覚えればいいの?と思うかもしれませんが、国際化が進んだ現在ではできればどっちも覚えておくことをお勧めします。
しかし、今回の記事で紹介したような単語は、多くはネイティブの人も知っているので、正直今はアメリカ英語の方しか知らなくても、イギリスに行って困ることはないと思います。
そして、行く前から単語を暗記する努力をしなくても、現地で生活していくうちに自然と覚えられます。
とはいえ、「Are you in the queue?(列に並んでいますか?)」をアメリカで使ったら通じなかったと言う話を聞いたことがありますので、アメリカでは列のことは「line」と知っておけば、こういう場面は相手によって言い換えられますよね。
最後にまとめますと、
多少知らなくもものすごく困ることはありませんが、万が一片方しか知らない相手に出会ったときのためにも、自分が普段使いそうな単語ぐらいは知っておくと便利でしょう。
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