お問い合わせフォームやTwitterで、今までイギリス留学や海外就職などに関する質問にいくつも個別に回答してきましたが、今後このブログを読んで似たような疑問を抱く方のために、よく聞かれる質問と回答をまとめてみました。
お問い合わせ前に、ぜひ一度これらの回答でお抱えしている疑問を解決できるか確認してもらえたら嬉しいです。
大学院留学に関する質問
イギリスの大学院の難易度はどれぐらいなのか?
私が通っていたクイーンメアリーのコンバージョンコースは、理数系出身じゃない者や、コンピュータサイエンスの学士号を持っていない者向けの内容になっていたので、体感的にはコンピュータサイエンスの学士課程2年目ぐらいのレベルだったかなと思います。
一学期の科目でJavaとデータベースの基本を学ぶに科目がって、すでに仕事で使ってる人にとっては簡単に感じるかもしれません。二学期は、他コース(データサイエンスなど)の生徒と同じ授業になることもあったので、難易度は一気に上がりました。
課題で指定の本を読むことを課せられることもあるのですが、あまりにも専門的すぎて読みづらい本も中にはありました。本を読むのは元々苦手なので、母国語じゃない専門的な本を指定時間内に読まなきゃいけなかったのは結構私にとって大変でした。
同じく悩んでた台湾人のクラスメートはわざわざその本の台湾版をイギリスまで送ってもらってました(笑)
イギリスの大学院一年コースでどれぐらい知識が身につくかは、本当に自分次第だと思います。授業3割、授業外の自習7割と考えていただければわかりやすいかもしれません。
こっちは自分からは何も行動せずに教授が手取り足取り教えてくれるわけではなく、自分から積極的にわからないところについて直接教授に聞いたり、メールで質問したりするのを早いうちから習慣づけた方がいいです。
生徒が理解できるようにするのが教授の仕事ですし、教授にとっても自分が教えてる事に対して生徒が興味を持ってくれてるのが嬉しいはずだと思います。なので、たくさん聞きすぎて迷惑かなとか思わずに、どんどん聞きましょう。
クラスで成績がよかった子たちはみんな教授によく質問してました。
修士課程の一年間で一番大変だった時期は最終試験期間でした。テスト直前に覚えなきゃいけないものが多かったのもそうだけど、テスト問題の大半が自分の意見をクリティカルに述べるものが多かったので、日本で受けた教育と大きく違う問題形式に苦労しました。
どんなエビデンスを挙げて自分の意見をサポートさせるか、などを考えるのがしんどかったです。
勉強は嫌いではないですが、試験期間が1ヶ月間に渡るロングランだったので、1ヶ月間遊びに行けず毎日朝から晩まで勉強していたので、さすがに精神的に参りました(^^;)
同じコースの仲良しな子と毎日のように連絡取りながら愚痴ったり、励ましあったりしたおかげで乗り越えました。大学で仲良くできる子がいるとかなり心の支えになります。
イギリスの大学院で落第する可能性はあるのか?
これはどんなコースを専攻するかにもよると思います。私のコースの評価の仕方は学期中の課題(レポートやミニテストなど)と最後の期末テスト合わせて各科目100点中50%以上クリアしてればPassになり、50%以下なら残念ながらFailになります。
Failになると、通常なら追試が行われるので、落第しないように追試で頑張るしかありません。
60%以上(Merit)取れると結構いいほうで、70%(Distinction)以上なら周りに自慢したほうがいいぐらいすごいです。
ちなみに、私は一科目42%しか取れなくて、その後追試をがんばっても結局44%しか取れず、50%以下なのでこの科目は「Fail」になりますが、うちの大学は「コアモジュールの平均が40%以上取っていれば、それ以外の科目は2つまでFailになっても可能」というルールがあったから、なんとか落第しなくて済みました。
私の大学は過去の試験問題をホームページに載せてくれたので、それを何度も何度も解いて勉強しました。
過去問に回答例まで載せてくれなかった教科や、過去問と似てる問題を今回の試験であんまり出さなかった科目はめちゃくちゃ苦労しました。。
各科目の評価をクリアする以外にも、期末テストの後に取り組む修士論文があって、これに関しては大学のワークショップでレポートの枚数指定や書かなきゃいけない内容を説明してくれるから、枚数をクリアしてて監督の教授にダメ出しされたところをきちんと直してれば、よっぽどのことがない限りそれなりに点数はもらえる感じではありましたので、試験と比べたらそんなに不安になることはないかなと思います。
大学からの就職サポートはあったか?
大学のサポートはCVのチェックや面接の練習、たまにメールで求人情報が来るぐらいでした。
私はCVのチェックのサポートサービスを一回利用しましたが、コンピュータサイエンス学部のサービスなのに、担当の方は「バックエンド」がどんな仕事なのかもわからなかったので、IT企業に就職する人向けというより一般なアドバイスという印象を受けました。
IT企業の事情を知っている人にアドバイスしてほしかったので、その後は利用しませんでした。
クラスメートにも何人か利用した子がいて、みんな「ものすごく役に立った」というような感想はなく、「担当者によってアドバイスが全然違う」とか、「毎回予約取らなきゃいけないのめんどくさい」「時間制限(20分)があって落ち着いて相談できない」などネガティブな感想がかなり多かったです。
利用できるなら数回利用してみて、それから続けるか決めた方がいいと思います。
それと、私が選択したこのコースは、一年目は普通の修士号コースと同じ内容ですが、さらに2年目から一年間「industrial experience year」が付属されたコースになっていて、一年間Tier4の学生ビザでフルタイムで働ける権利を与えられます。
大学のコネクションで配属先を決めてくれたり、集団面接なども設けてくれると少し期待してたのですが、いざ蓋を開けてみると「紹介」というのはただメールで「こんな企業が学生向けに求人やってるよ〜」みたいな「紹介」だけでした。
大学がバックアップして就職先が決まりやすくなるということはなかったので、最初から最後まで自力で仕事先を見つける努力をしなければいけません。もし、大学のバックアップに頼りたいのでしたら、入学申請をする際によーく確認した方がいいです。
ちなみに私のコースの場合、7月末までに就職先が決まらないと2年コースから1年コースに自動的に変更されるルールがあったので、就活と同じ時期に修論もやらなきゃいけなくてプレッシャーが本当にやばかったです。
イギリスでコンピュータサイエンスを学ぶに関する質問
実際にコンピュータサイテンスコースの授業はどんなものだったか?数学が得意じゃなくても大丈夫だろうか?
私は大学では文系を専攻していましたが、数学の知識が高校1年までしかなくても乗り越えられました。
苦手なところは自分が理解できるまで何度もYoutubeで説明してくれる動画を見直したり、友達や教授に積極的に聞くようにしていました。数学が得意な彼氏もかなり助けてもらいました。
イギリスに留学できるためにこれまでにたくさんの時間とお金をかけたから、今までの努力とお金を無駄にしたくないという意地もあったから頑張れたのかもしれません。
「大丈夫かな・・」って行動する前に心配にかける時間はもったいないので、留学中にガッツリ勉強する覚悟を決めて、自分のベストを尽す努力するべきだと思います。
しかし、機械学習やAIなどを選ばれるのでしたら、おそらく数学に強くないと授業内容を楽しめられないと個人的に感じましたので、理数系のバックグラウンドがない方はかなり自習に時間をかける覚悟をするといいかもしれません。
大学院のコンピュータサイエンスコースを卒業できたことが現地就職の際にどれぐらいプラスになるのか?
学位有無については他のIT資格と同じく、あったら絶対にいいですし、ないからと言って採用しない会社ばかりでもないかなと思います。結局そこは採用担当者の柔軟性によるかな、と思います。
なぜなら、大きい会社だと一次面接になるまでのプロセスはHRの人とかIT系のスキルをよく知らない人が履歴書チェック担当になってる可能性が高く、上の人に言われた通りの条件にぴったり当てはまらなければその時点で落とされるかもしれません。逆に小さい会社なら採用後に自分の上司になる人が直接履歴書を読むから、もっと柔軟に判断してくれそうな気がします。
ただ、柔軟性がある小さい会社はビザサポートする資格がない(サポートする予定もない)のばかりなので、就労ビザ以外の滞在ビザを自分でなんとかしなければいけません。
大きい会社でも、シニアレベルとかプロジェクトマネージャーぐらい経験がある人にしかビザをサポートしたくない会社もありますので、大きい会社なら安心ということもないですね。実際に日系の有名企業に応募したクラスメートは、就労ビザのサポートは日本から駐在員のみが対象と言われたそうです。
話がちょっとそれましたが、まとめますと、希望されるポジションでの就労経験が長く、スキルだけでも十分にアピールできるぐらいの方ならわざわざ学位を重要視されないと思いますが、就労経験がまだシニアレベルやリーダーレベルと言えないぐらいなら学位は結構重要視されると思います。
ちなみに、私は特に自分のプログラミングスキルが素晴らしいと思えなかったし、自分が文系出身だからコンピューターなどの基本についての基礎知識を付けたかった気持ちもずっと強かったし、ロンドンのバックエンド系の求人情報を見ていると理数系の学位が求人要件に書かれているのが多いと知っていたので、大学院留学することにしました。
あとビザのことを考えると英語圏の大学院を卒業した証明ができると、英語力テストが免除されたり、ポイント制のビザ申請のときにも有利になるので、結構メリットが多いです。
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コンピュータ・サイエンスコースを専攻するにはどれぐらいプログラミングのスキルが必要か?
コンピューター・サイエンスコースに入学するための募集要項が各大学のコース別ページに分かりやすく書いてあるので、各自で調査するのが一番確実ですね。
ちなみに私がとったコースは、IT系に転職したい人向けにデザインされているカリキュラムになっていて、必ずしもプログラミングの知識を持っていることは応募条件にありませんでした。なので、大学で法律や経済を学んだ文系出身の生徒も、私のようにすでにプログラマーとして働いた事がある生徒も両方いました。
1学期は割りとコンピュータサイエンスの入門知識を学ぶので、すでにプログラマーとして就労経験がある私にとっては「簡単」と思えるレベルの内容でした。しかし、2学期からは他のデータサイエンスやコンピュータサイエンスなどのコースの生徒と同じ授業になる時が増え、難易度が急に上がりました。
なので、授業外でもネットでわからないところを調べたり、復習するのにたくさん時間をかける心の準備が必要だと思います。
大学や大学院のコンピューターサイエンスのようなコースって、デベロッパーを目指す人向けではなく、IT界の色んなポジションに就職が可能なカリキュラムになっている事が多いので、卒業できればプログラミングという技術が上手になれるわけではないです。
例えば私のコースは技術的な授業は一つだけでした。他にはデータベースの授業では実習の時に簡単なSQLを使ったり、機械学習の授業ではPythonを使いましたが、すらすらコードを書けるようになりたいことが最終目標なら、プログラミングブートキャンプに参加された方がいいと思います。
まとめますと、大学院でプログラミング全くゼロからやるっていう人は、授業外でたくさんプログラミングに練習時間を費やす覚悟で来たほうがいいと思います。
ちなみにうちのクラスのプログラミング経験がない子達は、大体みんなグループ課題で一緒になった時に率先してレポートを書く担当になる!って言ってくれるからとても助かりました(笑)
海外就職について
日本での就労経験がないと、現地で海外就職するのは厳しい?
はい、本当に本当に厳しいです。
私の職種のみでしか経験がないので、他の職種はわかりませんが、私が就活してた時は日本みたいに「未経験者OK!」みたいな求人情報は全くと言っていいほど見かけませんでした。新卒向けの求人はありますが、それでも募集要項にはずらりと条件がたくさん並んでて、気になる方はぜひ「Gradurate XXX(希望の職種)jobs in London」とかで検索をかけて、いくつか求人要項と待遇などを読んでみることをおすすめします。
それと海外就職を考えた時、必ず突き当たるのが就労資格問題です。
私は就活中に「今の滞在資格は?」という質問され、「今は学生ビザですが、一年後に就労資格があるパートナービザを取得する予定です」と言っても、門前払いをくらったことが何度もありました。
イギリスの場合、全ての会社が外国人にビザサポートできる資格を持ってるわけではないし、会社がビザサポートをする資格を新たに取るにも、「どうしてもこの外国人じゃないとだめ」という証明みたいなのを出さなきゃいけないから手続きが面倒という話を聞きます。
なので、国際的で外国人のビザサポート手続きに慣れてる大きな会社ならサポートしてくれる可能性が高いですが、数人しかいないような会社はあんまり期待しないほうがいいかなと思います。
ちなみに、Twitterでフォローしてる方が二年間YMS(ワーホリ)ビザでイギリス企業で働いたのですが、その努力が認められて、YMSビザが終了したあともずっと働いて欲しいと言われ、ビザサポートをしてもらえるようになったケースもあるので、ビザサポートなしと言われても諦めずに会社と交渉してみるといいかもしれません。
今私が勤めてる会社は、ロンドン郊外にある小さなIT会社で、面接官(今は上司)があんまりビザとか考えてなくて、面接の私の滞在資格に関してはふれられないまま採用されてしまい、のちにちょっとトラブルになりました。でもパートナービザを取る資格がちゃんとあることを証明するために色々資料を上司に提出した結果、なんとか採用が取り消しされずに済みました。。
現地で海外就職できたコツを教えてください。
私が海外就職できたのは、IT企業に転職や留学など色々な決断が関連していると思います。
私がオファーをもらえた2社とも、リクルート担当者からスカウトのメールが届いて面接する流れになったので、就活中はCV(レジュメ)をあらゆる求人サイトに載せるようにしたほうがいいです!
求人情報にも毎日数社応募したけど、9割り音沙汰なしで、残り1割りは面接前で落ちました。
あとはやっぱり需要が高い職種を狙ったことかなと思います。そして、日本のIT企業での就業経験が数年あって、開発側も運用側も経験があったので、幅が広くて色々なポジションに応募できたことも大きいかな。
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面接で気をつけたことは?
自信満々に回答する
当たり前だけど、自分の言葉に自信を持つことです。
そのためには、自分が前の会社で何をやってきたかをしっかり説明できるように事前にたくさん練習しておきましょう。
面接では、CVに書いてある内容について細かくつっこまれるので、CVに書いてある全ての内容について一つずつ細かく説明できるように準備しておく必要があります。
「わかりません」は絶対言わない
あと、どんな質問に対しても「I don’t know」は絶対に言わないようにしました。これは日本で転職した時もそうしました。
事前リサーチ
もう一つ絶対にやっておくべきことは、事前に面接先の会社の公式サイトやウィキペディアを見て、どんなことをやっている会社なのかをリサーチしてよく理解しておくことです。その会社の最新のニュース(発売した商品とか)を知っておくと、サラッと面接のときに触れてあげると、ちゃんと下調べしたことをアピールできて、好印象に繋がるからです。
私は、面接のとき必ず最後に「最後に何か質問ありますか」と聞かれた時に「ウェブサイトに書いてあったXXについてですが、〜」という質問するようにしました。
お水をもらう
面接で最初に「飲み物何かいる?」と聞かれたら、緊張しててそれどころじゃないから控えがちですが、緊張で喉が乾きやすいので冷たいお水とかをお願いすることをおすすめします。
質問内容にすぐに答えられない時に、お水を飲んで時間稼ぎもできるので、一石二鳥です(^-^)
自分の経験を応募資格につなげる
最後に、何と言ってもJob Description(仕事内容)に書いてあるrequired skills(応募資格)などをよく読むことです。
例えば、プログラマーの求人でよくあるのは「Accuracy and attention to detail」「Problem-solving skills」「Teamwork skills」などですが、その単語たちを自己アピールのフレーズや面接での回答に取り入れるようにすること。
「Teamwork skills」が自分が応募しているポジションに求められてるなら、自分が過去にチームワークに適していると思った経験を話に取り入れるように心がけたり、臨機応変に自分がいかにそのポジションに求められてるスキルを持っているかを経験話を通してアピールしましょう。
就活において日本との違いは?
ノックの回数や、椅子の横にバッグを置くとかそういった細かいマナールールがなく、髪の毛の色も、長髪は結ばなきゃいけない決まりもないのが大きな違いかなと思いました。
日本の真っ黒なリクルートスーツはガッチガチすぎるので、女性ならOL風のオフィスカジュアルで、男性なら色を取り入れたスーツがいいかなと思います。
海外就職においての注意点は?
注意点というか、アドバイスとして言いたいのは自己アピールはちょっと大袈裟なぐらい自信たっぷりがいいです。
あと、私は実際に面接で今まで使った事がないプログラミング言語やツールについて「使える?」と聞かれた時は、「少し聞いた事があります」とか「耳にした事があります」のようなポジティブなフレーズをまず言うようにすると、大体は向こうが詳しく説明してくれます。その説明内容から何とか自分が知ってることと似てる部分を探して、「それってXXのようなことですね?」と聞いたり、「ネットにたくさん○○を学べる情報があるので、それで使えるようにできます」などと前向きに勉強する姿勢をアピールするようにしました。
「使えない」ときっぱり言うよりも「今は使えないけど、勉強して使えるようにします」とスキルアップする姿勢を見せるのが大事だと思います。
前述の「I don't knowは絶対言わない」に対しても同じことを言えますが、面接の時点で知らないことやできないことについて聞かれると、ネガティブな印象を与えそうでパニックになるかもしれませんが、どうにか「知らない」という事実をポジティブなアピールにつながるように自分の回答内容を工夫するようにしましょう。
現地での暮らしに関する質問
現地でのお部屋探しはどうやって探したらいいですか?
おわりに