イギリスの大学・大学院に留学するとき、学期中に何回もレポートやエッセイを書く課題が出されたり、卒業するには長編の論文を書かなければいけなかったりと、英語でフォーマルな文章を書くのは他の英語圏に留学する学生たちも避けて通れない道だと思います。
あまり日本の学校で学んでこなかったのですが、実は英語で文章を書くときは日本語で書くときと比べると、いくつか注意しなければいけないルールがあります。
今日は、英語で書くときに守らなければいけない正式なフォーマットを紹介したいと思います。そして、後半は私が大学院留学中に覚えた英語で論文を書くときのコツを紹介したいと思いますので、よかったら参考までに最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
どこまで正式フォーマットを守ったらいいか
大学や大学院の授業で出されるレポートの課題はフォーマットの指定がそんなに厳しくないと思いますが、卒業論文は必ずフォーマットを守った方がいいと思います。
また、学校や教授によっても正式フォーマットの認識に違いが少しあるかもしれませんので、この記事を参考にしつつ、教授から配布された課題ついての詳細にて推進されてる指定フォーマットを確認しておくといいでしょう。
また、成績に関わる大事な論文は、大体締め切り前に下書き版の論文を一回提出してフィードバックをもらえることも多いので、フォーマットが間違ってたらそこで指示されると思います。なので、フォーマットごときで硬ばらなくていいと思います。
一番評価されるのはフォーマットよりも論文の内容だと思うので、今は細かいところまでは気にせずに、あくまでもガイドラインとして認識しておくといいでしょう。
正式フォーマットの基本
まずは基本中の基本について知っておきましょう。これらのルールは留学先でエッセイ、論文を書く時だけじゃなく、ビジネスシーンでフォーマルなメールや長文を作成する場合にも役に立つと思います。
大学に出願するときに書く英文のパーソナルステートメントも、このフォーマットを守った方が印象がいいです。
フォントサイズ
基本的にはフォントサイズ12を使いましょう。
フォントは「Times New Roman」を使うのが一般的ですが、うちの大学では「Arial」も可能でした。
ダブルスペーシング
Microsoft Officeのワードで文書を書くときの行間スペースはシングルがデフォルトになっていますが、フォーマルな論文はダブルスペーシングが指定されていることもあります。
デフォルトの「シングル」を「ダブル」に変更するにはワードのメニューから「Format」→「Paragraph」を選ぶと、パラグラフの書式を設定する画面が出てきます。
「Spacing」のところにあるLine Spacingのドロップダウンメニューから「Double」を選べば、行間のスペースが一気に広くなります。
行間のスペースを広くする理由は、採点するときに先生が直したりコメントを書きやすくするためと聞いたことがありますが、直接紙のレポートを提出するよりも、PDFを大学のウェブサイトにアップロードしたり、メールで送るのが当たり前の時代になってきたので、今でもダブルスペーシングを使う理由はよくわかりません(^^;)
ダブルスペーシングにしてみるとわかると思いますが、ちょっとびっくりするほど行間スペースがめちゃくちゃ広くなります。
じつはダブルスペーシングというルールは結構賛否両論だったりします。なので、提出先の大学や教授に特別に指定されていなければ、シングルのままでもいいと思いますし、少しだけ広くするだけでもいいと思います。
やっぱり読みやすさを考えつつ、臨機応変に対応するのがいいでしょう。
表紙の次はTable of Contents(目次)
ページ数が多いエッセイを書くときは目次を入れる必要があります。日本語で書くときもそうですよね。目次を入れると、エッセイの構造を確認するのにも便利です。
目次の挿入はワードの「References」タブをクリックすると出てくるメニュー一覧の中にあります。
注意しなきゃいけないのは、エッセイを更新や編集するとき、Table of Contentsは自動的に更新されないので、その都度更新する必要があります。
提出する前は必ずTable of Contentsの内容が最新になっているか確認しましょう。
図にFigure番号をつける
文章中に挿入された図やテーブルなどには必ず「Figure 1」のような番号をふっておく必要があります。
その図やテーブルについて説明するときもどれについて書いているのか表示しやすくなります。
一例:
参照文献を載せる
自分のエッセイの中で何かアカデミック・ジャーナルや、本から引用したフレーズがあると、参照文献の記述が必要になります。
記述方法ですが、「essay sitation」「essay reference example」などでググってみるとどこまでも細かいルールに目が回ります。さらにはハーバード式やらMLA式やら、種類によっては記述方法も違うので、初めて英文でレポートを書いた時はこれに困惑して頭を抱えました。
イギリスの場合はハーバード式が多いので、特別指定がなければハーバード式を使いましょう。
記述ルールに気をつけながら自分で記述するのは面倒なので、私が大学院留学中に愛用したこの変換サイトをおすすめします:
I amを「I'm」に省略しない
ビジネスメールでも同じです。省略できる単語は省略しないで書くのがフォーマルです。
例:
「I'm」→「I am」
「You're」→「You are」
「I'll」→「I will」
「I've」→「I have」
「couldn't」→「could not」
などなど。
数字はアルファベットで書く
例えば、There are 5 training principles of 〜. というセンテンスなら数字の5を「five」に置き換えたほうがフォーマルです。
例文のフォーマルな形:
There are five training principles of 〜.
PDFにして提出
一般的に論文やレポートを書く時は、マイクロソフトのワードを使って書くと思いますが、読む側がレポートの内容を間違えて消したり、意図しない変更を加えたりする可能性がありますので、あまりよくないです。
基本的に「ワードファイルで提出」の指示がなければ、学校に提出する時はPDFファイル版を作ってそれを提出するようにしましょう。
ワードをPDFに保存する方法はググればすぐに出てくると思いますので、ここではあえて保存方法の説明は省略させていただきます。
英語で論文を書くときのコツ
基本ルールのおさらいができたら、ここからは私なりの英語でエッセイやレポートを書くときのコツを伝授したいと思いますので、ぜひご参考ください。
表紙
学校のフォーマットを用意している場合もあるのでそれを使うか、課題でレポートを出されるときに過去の学生が書いたレポートを参考用のサンプルとして用意してるときもあるから、サンプルの表紙を真似してもいいと思います。
どちらにしても、論文のタイトル、学部、自分の名前と学生番号を必ず含めること。
「Justify text」を使う
ワードで文章を書くとき、デフォルトで「左寄せ」になっているかと思いますが、「Justify text(均等割)」を使ったほうが、スペースの広さが自動調整され、右側もきっちり揃うようになります。普通の「左寄せ」よりも見栄えがきれいです。
ワードの上の文字列の配置メニューの4つめのアイコンをクリックすれば「均等割」になります。
Googleドライブに保存するのが便利
Googleドライブは、留学先でグループワークをやるときに、ファイルを共有するために利用する確率が高いのでGoogleのアカウントがない方は、今のうちに作っておくといいでしょう。
もしGoogleドライブを使ったことがない方は、まずはどういう機能なのか、簡単な使い方などをググってみてください。
書き途中の論文をGoogleドライブに保存しておくと、自分のパソコンからも、学校のパソコンからもログインすればどこでも簡単に(Google Docsで)論文を修正したり、ローカルに保存したりできるようになるので、USBスティックとかにいちいち保存して持ち歩く必要がなくなります。
さらに、バージョン管理機能があるので、古いバージョンのバックアップが必要になったらダウンロードできるので、万が一のために安心です。
見出しは太字にほうが見やすい
これは大したコツでもないかもしれませんが、見出しを太字にするとしないよりはくっきり目立って読みやすくなります。
一つのセンテンスが長すぎないように
「,(コンマ)」が何個も続くと、長すぎて読みづらくなりますし、何を伝えたいのかわからなくなります。
日本語の感覚で書くと、一気にいろんな内容を一つのセンテンスに含ませたくなりますが、英語で書く時はセンテンスがだらだら長くなってきたら臨機応変に「.(ピリオド)」で区切ると読み手にとって一気に内容を理解しやすくなります。シンプルな文を書くことを心がけることです。
下記の悪い例と良い例の句読点の使い方を比べてみてください。どちらの方が内容を理解しやすいかすぐにわかるかと思います。
悪い例:
Time division multiplexed systems are basically much simpler, the combination and separation of channels being affected by timing circuits rather than by filters and inter-channel interference is less dependent on system non-linearities, due to the fact that only one channel is using the common communication medium at any instant.
良い例:
Systems multiplexed by time division are basically much simpler. The channels are combined and separated by timing circuits, not by filters. Interference between channels depends less on non-linear features of the system, because only one channel is using the common communication medium at any time.
参照:General principles of good writing
まとめ
以上、英語で論文を書くときの基本ルールと、コツについて書かせていただきました。簡単に内容を復習してみますと、
・正式フォーマットどこまで守るべき?→このブログで紹介したフォーマルなフォーマットを認識しつつ、提出先の要求を常に確認すること。
・フォントサイズ12、フォントは「Times New Roman」か「Arial」。
・ダブルスペーシング→賛否両論。指定がなければデフォルトのままでも良い。
・目次をつける。
・挿入図に番号をふる。
・参照文献はイギリスならハーバード式。
・省略形は使わない(I'm, You'reとか)。
・数字はアルファベットで書く。
・PDFファイルにして提出。
・表紙は学校の指定フォーマットか、サンプルを参考にする。
・文字列は「左寄せ」よりも「均等割」がきっちりしているように見える。
・Googleドライブを使えば、効率良くファイル管理できる。
・見出しは太字にするとよりくっきりする。
・一つのセンテンスの長さに注意。
他にも英語の論文を書くにあたって「こんなコツがあるよ!」という方はぜひコメントにて共有してもらえたらうれしいです(^-^)