7月から徐々に来年度(9月開始)の生徒を募集開始し始めているイギリスの大学院も多く、大体年末に出願のピークを迎えます。
そろそろ来年9月から大学院留学のために出願準備を始めたい方もいると思いましたので、今日は大学院に出願するための知識をシェアしたいと思います。
イギリスの出願制度
イギリスの大学に出願するときは、大学のポータルサイト上で基本的な個人情報をフォームに入力し、必要な書類のPDFをアップロードするだけで、ネット上で全て完結します。
郵送で提出物を送付したい方は直接大学に郵送することもできるみたいですが、簡単にPDFで提出できるのに、わざわざ面倒臭い郵送で送付する人っているのかな・・・?
書類提出の結果によって、その後スカイプ面接や試験が行われるところもあるようですが、私が応募した3校は書類選考のみで合格が決められました。
また、英語圏以外の国からの学生の出願要項には必ず英語力証明が求められますが、学校に求められてるレベルに達していなくても、「条件付き合格」をもらうことがあります。
条件付き合格者は基本的に決められた期限内にIELTSなどの試験を受け、求められてるスコアを取るか、難しそうな場合は大学のPre-sessionalコースに参加することになります。
Pre-sessionalコースは9月からの大学院の授業についていけるように、授業で使われる高度な英語の勉強をし、コースの最後に行われる試験に合格しないといけない大学も多いですが、本当に大学ごとに違うので、詳細は各大学の公式サイトでよく確認してみてください。
大学院留学とは
語学留学は日常英会話を勉強したり、海外生活や文化を体験するのが主な目的だと思いますが、専門的な知識を学ぶ大学院留学を選ぶ方は、もっと確実な目的を持つ方が多い気がします。
大学院に出願するときに、専攻したいコースを決めるのですが、イギリスの大学院には本当にたくさんのコースがあるので、しっかりとコース内容を定める必要があります。
特に、将来海外で就職する事を考えているのであれば、英語でその職業の求人情報を調べたり、海外ではどういう学歴が求められているのかをよく調べた方が良いです。
例えば私の場合、将来はプログラマとして就職したいので、「What do you need to become a computer programmer?」とググると、
Most employers, however, require programmers to hold at least a bachelor's degree in a field such as computer science, mathematics or information systems. Some jobs even call for a master's degree.
Computer Programmer Education Requirements and Career Informationyより引用
(多くの企業がプログラマに求めるは条件は最低でもコンピュータ・サイエンスや数学、インフォーメーション・システムズを専攻した学士号が必要。修士号が必要なところもある。)
という風に、上記の三つのどれかを専攻する必要があると分かります。
出願の流れ
では、自分が専攻するコースを決めたところで、いよいよ準備を始めていきましょう。
学校選び
学校選びは、自分が優先したい条件は何かを先に考えましょう。
私は場所的にロンドンがよかったので、ロンドンにある大学のランキングの上から順番に大学の公式サイトを見ていき、自分が専攻したいコースのページに書かれてるカリキュラムの内容に目を通しました。
ちなみに修士号は「Master's degree」、「Postgraduate study」と書かれていますので、同じ大学のサイトにある学士号のページと間違わないように。
では、参考に私が実践した大学の選別方法を紹介します。
まずはエクセルで興味を持った大学の一覧表を作り、個人的に選別に必要な項目を一つ一つ記入していきました。
もちろん大学のサイトを見た時点で興味が湧かなかった大学はこのリストには記入しません。
項目:
・大学名
・コース名
・学費
・出願締め切り
・必要IELTSスコア
・出願要項
・キャンパスの場所と住みたい地区からの距離と通学時間(GoogleMapで検索)
・メモ
これが実際に私が作ったリストの一部:
この表は、出願の一連の作業で重要なメモをしたり、参照したりするのに本当に役に立ちました。
出願するときに使う各大学のポータルのログイン情報(IDやパスワード)も忘れないように、この表で管理しました。
提出書類の準備
出願に必要な書類はだいたい統一されていると思ったのですが、3校に出願した結果、推薦状1通だけのところもあれば、2通のところもあったりとバラバラでした。
出願用のポータルサイトでフォームに記入しながら次に進んでから「過去にイギリスに留学した際のビザのページをアップデートして下さい」と、そんなものまで必要だったの!?のような要求も出てきましたので、出願してみなきゃわかんない事もありました。
なので一応ここでは、私がこれだけ用意すればとりあえず大丈夫だろうと思うものを紹介します。
大学の成績表(英文)と大学の卒業証明(英文)
当たり前ですが、日本語の書類は英文に翻訳されたものが必要です。
私の大学は数百円を払えば、両方の書類の英文バージョンをもらえたので楽でした。
推薦状2通
推薦状は大学の教授に書いてもらうのがいいと思いますが、教授が英語で推薦状を書くのが面倒な時は、自分で教授の代わりに書いて、それを教授にサイン(ローマ字で)をしてもらう人も多いようです。
また、社会人の方は上司に書いてもらう人も多いです。私は2通が必要だったので、1通は教授で、もう1通は今まで働いた会社で一番よくしてもらった上司に英語で書いてもらいました。
二人とも英語のネイティブではない為、文法の間違いがないか一応ネイティブに軽く見てもらいました。
でも正直、推薦者の英語がちょっとおかしくてもそこまで合格に響く事はないと思う(むしろちょっと間違いがあったほうがリアルかもしれない・・・)ので、ご自分の判断で不必要だと思うならば必要ないです。
また、推薦状は機関の正式ヘッドレター付きで、推薦者のメールアドレスのドメインが機関(会社名や大学名)であることが必要です。
私が出願した大学の中で、PDFがカラーコピーでないとダメな大学もありましたので、できればカラーのPDFを作成した方が確実だと思います。
推薦状についての詳しい説明は、今度また別の記事で書きます(^-^)
CV(履歴書)
もし仕事経験があれば、英語版の履歴書も提出する必要があります。
ここではどんな仕事内容だったのかを書きますが、A4サイズに収まるように見やすく書く必要があります。
私の場合は、プログラマとして参加したプロジェクトで使用したソフトウェアやプログラミング言語をできるだけたくさん記入しました。
英語の履歴書は正式なスタイルがないので自由にアピールができる分、日本語の履歴書に慣れてる私たちからすると、逆に難しく感じる人も多いかと思います。
「書き方が分からないよ」という方はネットで「best CV examples」と検索し、例をたくさん見て、見様見真似て作成してみましょう。
Personal Statement(自己推薦書)
出願準備で一番苦労するのも、時間かかるのもこの自己推薦書なのですが、何度も添削してもらいながら修正をして仕上げていくので、1ヶ月ぐらいはかかると心得たほうがいいかもしれません。
書き方については詳しく別で記事に書きましたので、ぜひ参考してみてください:
www.worldwidebear.net
英語力証明
他にも証明として認められてる試験もありますが、全ての大学が英語力証明として認められてるIELTSテストの結果を証明に使うが一番無難です。
イギリスだけじゃなく、オーストラリアやカナダ、ニュージーランドでもIELTSを英語力の証明として使えるので、一番幅広く使えるのもIELTSだと思います。
証明方法は、テスト後に家に届いたIELTSの結果「IELTS Test Report Form」のPDFをアップロードするだけです。
どれぐらいのスコアを取ればいいのかは、選ばれるコースによって異なるので、各大学の公式サイトで確認して下さい。
一般的にはOverall6.5〜7.0が多いと思いますが、法学や医療系はもっと高いスコアが必要かもしれません。
また、Overall6.5と書いてあっても各セクション6.0以上ないとダメな大学もありますので、よーく確認しといて下さいね。
例えばリスニング8、リーディング5、ライティング7、スピーキング6でOverall6.5を取れても、リーディングが6.0以下なのでダメです。
パスポートの写真ページのPDF
これは特にそこまで気をつける事はないと思いますが、パスポートを持っていない方は早めに作って下さい。
IELTSテストを受ける時もパスポート必須です。
また、すでにパスポートをお持ちの方も、期限が迫っていないか念のため確認して下さい。あと半年ぐらいで期限が切れそうでしたら、更新しにいくことをお勧めします。
各大学の出願用ポータルサイトから出願
提出書類の準備が全て整ったら、各大学の出願用ポータルサイトに接続し、最後までフォームに記入し終われば、あとは結果通知を気長に待つだけです。
出願用ポータルサイトは、一般的には各大学の公式サイトのご自分が選んだ修士号の詳細ページに行けば、「How to apply」や「Apply now」などと書かれたリンクをクリックすると、そこに繋がってると思います。
基本的に出願フォームを記入している途中でも、何度も保存して中止することができますので、じっくり何日間をかけて出願しても可能です。
中止後に自動で送られてくるメールに書かれている「再度ログイン期限日」までにまたログインすれば大丈夫です。
ちなみに出願後に、学校から追加で資料を要求される事もありますので、メールボックスのチェックはこまめにしましょう。
結果通知メール待ち期間
出願完了後、必ず完了メールが届きますが、「4週間以内に結果を通知します」と書かれても、絶対に信じないでください(笑)
私が申し込んだ3校のうち、2校は2週間以内で結果通知が来ましたが、残りの1校は2月に出願したのに、3ヶ月後の5月の頭にやっと結果が来たんです。。
しかもメールで問い合わせても返信がなかったので、電話までする羽目になって本当に大変でした。
ちゃんと通知メールが送られて来たけど迷惑メールとして判断されて自動的に削除されたり、自分で間違えて消しちゃったりする可能性もあるので、 とりあえずある程度待ってみて、しばらく経っても結果が来なければ、メールや電話でお問い合わせして、何か問題があったのでしょうか?などと聞いてもいいと思います。
「合格」だった場合、結果通知メールが届いてから30日以内に合格結果の承諾をしないと、合格が無効になってしまう大学も多いので、そのためにも大学に進捗状況をお問い合わせして、自分の出願がちゃんとプロセス中だと分かると安心ですね。
スケジュール感
私の経験を通して、準備の目安としていつ頃から準備し、準備にどれぐらい時間がかかるか、「時間が一番かかる順」に紹介していきます。
英語力証明:IELTSテスト(かかった時間:5ヶ月以上)
これはたくさん勉強をする必要があるし、一回の受験にかかる費用も高いので、留学すると決意をした日からでも勉強を始めてほしいぐらいです。
私はOverallスコアを6.0から7.0までにあげるのに5ヶ月はかかりましたが、仕事や学校で忙しい方はもっと長く見積もって下さい。
留学予定の年のお正月ぐらいには大学に出願をしておいた方がいいので、それまでに希望のスコアを取れるようにした方がいいかなと思います。
最悪の場合、出願に間に合わなくても「条件付き合格」をもらう事もありますが、できる事なら出願に間に合うようにした方が楽だと思います。
私のIELTS勉強法について興味がありましたら、こちらの記事をお勧めします:
自己推薦書(かかった時間:2〜3週間)
私はたまたま自己推薦書を書いていた時に、仕事をしていなかったので、集中して書ける時間がたくさんありました。
お仕事や学校がある方は1ヶ月以上はかかると思った方がいいです。また、プロの添削サービスを利用される方は、添削にかかる時間も確認して下さい。
48時間以内に返却してくれるこちらの添削サービスもあります:
推薦状2通(かかった時間:2〜3週間)
私は、大学の教授の分だけを自分で代わりに書く必要があったのですが、2通とも自分が代わりに書かなければいけない方はもっとかかると思います。
特に私の大学は家から遠くないので、教授のメールアドレスも知っていたので、スムーズにやり取りができました。
大学の教授と連絡がつかない方は、直接大学に行ったり、大学のウェブサイトからメールフォームで問い合わせたりする必要があるかと思いますので、各々の事情で時間を多く見積もって下さい。
パスポートのPDF(かかった時間:1週間)
PDFを取るだけだったら数秒で終わりますが、私はパスポートの期限が半年ぐらいしか残っていなかったため、更新するのに1週間かかりました。
CV(かかった時間:2日)
私は元々前に作った英語の履歴書を持っていたので、出願用にアップデートするだけでそこまで時間はかかりませんでした。
足りてない最近の職業履歴をアップデートし、出願するコースにあまり関係ない仕事内容を消して、その代わりにコースと関係が深い仕事内容の情報をもっと増やしました。
次の日にネイティブの知り合いにチェックをしてもらい、合計2日で準備完了しました。
英語の履歴書を作ったことがない方も、長くても数日ぐらいで完成できるかと思います。
大学の成績表と卒業証明書(かかった時間:半日)
おそらくほとんどの大学は、直接大学に電話をすれば遅くても1週間ぐらいで書類を送ってもらえると思います。
私の場合は、推薦状を頼みたい教授に直接挨拶をしたかったので、大学に挨拶に行った日についでにその場で成績表と卒業証明書を英文で発行してもらえました。
例外(かかった時間:数分〜数日)
最初の方でも少しお伝えしましたが、出願ポータルサイトでフォームを入力していく途中に、準備しなきゃいけないと知らなかったものが出てくる事もあるかもしれません。
私の場合は「以前イギリスに留学した時のビザのページのPDF」をアップロードする必要があったり、推薦状に教授のメールアドレスの記載を求められたり、CV提出の代わりにフォームに直接職業履歴を記入する形式に戸惑ったりと、予想していなかったものにさらに時間がかかりました。
どれも準備するのに何日もかかるものでもないので、心配する必要はありませんが、一応予想外な事も起こりうる事を頭の隅っこにでも入れて置いて下さい。
おわりに
以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございます♪
私が大学に出願した時もたくさんネットで情報をかき集めていたので、少してもみなさんが調べる時間を節約できるように、詳しくこの記事にまとめてみました。
これから留学しようと考えている方や、出願準備で困っている方にとって少しでも役に立てられたら嬉しいです(^-^)